未成年のトランスジェンダーへの治療の場合、日本精神神経学会のガイドラインでは、二次性徴の発来に著しい違和感を有する者に(女性・男性ホルモン治療を行うのでなく)第二次性徴を抑えるための「思春期ブロッカー治療」を行うことが検討材料になります。
思春期ブロッカーは正式名称を「GnRHアゴニスト」といいます。GnRHはGonadotropin releasing hormoneの略です。正式なガイドラインに沿いますとTanner2期(第二次性徴の初期)以降から15歳までは思春期ブロッカーのみが治療の選択肢になります。ただし、12歳歳未満の場合には「特に慎重に適応を検討する」としています。
15歳から18歳の間は、保護者、医療関係者の同意があればホルモン治療を思春期ブロッカーに変えて受けることができます。また、第二次性徴が進みTanner4期(第二次性徴がある程度進んだ状態)になると第二次性徴を止める目的で使うことはできません。FtMの月経停止、MtFのテストステロン抑制には使うことができます。●